無理して返さなくても大丈夫

「この程度の返済なら大丈夫」と思って借りたカードローン。しかし、病気やケガなどによる休業・失業、突然のリストラなど、思いもよらなかった出来事で収入が減ってしまい、借りたお金が返せなくなってしまう。このような状況に陥る人も少なくありません。

しかし、返せなくなった時の為に対処出来る方法が複数あり、自分に合った解決方法を選ぶことが出来ます。

返せなくなったからといって、慌てて無理な返済をせず、まずは債務整理の正しい知識を知り、自分に合った解決方法を見つけましょう。

返せなくなった時に何が起きるのか?

カードローンなどの借金が返せなくなると多くの人は、「自己破産されられて身ぐるみ剥がされる」「怖い人が取り立てに来る」「ブラックとレッテルを貼られ、何をするにも障害になる」などの悪いイメージばかり思いつくのではないでしょうか。

しかし「お金を借りる」という行為は「貸して下さい」「貸してあげます」という約束事なので、貸手側には「返してもらえなかった場合」というリスクに備えた対処方法が準備されています。

貸手側が想定していることなのですから「借りたお金は絶対に返さなきゃ」と深刻に考え過ぎて、生活もままならない状況まで自分を追い詰めることではありません。

まず、カードの返済が遅れたらどうなるかを時系列で表すと、次のようになります。

延滞期間 債権者(貸手)らのアクション
口座引き落としで返済の場合 ATM等で返済の場合
1日目~半月程度 再引き落としの通知(書面) 返済を促す電話や書面
半月~1ヶ月まで 再々引き落としの通知(書面) 返済を促す電話・書面プラス訪問
※ここまでは、延滞分を返済すれば、再びカード利用が出来るようになる。
1ヶ月~2ヶ月まで 口座引き落とし手続きの停止及び振込にての返済を促す電話・書面・訪問がある 返済を促す電話・書面・訪問がある
※これを過ぎると、延滞分を返済してもカードの利用出来なくなる
延滞2ヶ月~ ・残債務に遅延損害金を含めて一括請求される
・返済期日までに返済が無い場合は、法的手続き(提訴)に入る業者もある

金融機関によって多少の違いはあるものの、意外に時間はあるものです。ですから、「何がなんでも、期日までに返さなきゃ」と、焦って生活費までつぎ込む必要はないのです。

怖い取り立てが無い理由

「それでも返せなければ、キツイ取り立てに遭う」と不安になると思いますが、取り立ての方法は法律によって厳しく制限されています。「貸したお金を返してもらう為には何をやっても良い」というワケではありません。

借りたお金に関わる法律は「民法」や「貸金業法」ですが、それよりもまず従わなければならないのが憲法第25条です。

憲法第二十五条 第一項
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

日本の法律では憲法を守ることが最優先とされています。健康で文化的な最低限度の生活する権利があるということは、誰であろうとその行為を脅かすことはしてはならないのです。

借りたお金が返せなくなったとしても、生活費まで取られることはありませんし、差し出す必要もないのです。

この考えを大前提とし、金融機関を監督する金融監督庁から、各金融機関に対し、取り立てに関する規制が通達されています。

金融監督庁 事務ガイドライン 貸金業関係 3-2-2取立行為規制

(1) 貸金業者又は債権の取立てについて委託を受けた者等が、債務者、保証人等を威迫する次のような言動を行ってはならないこと。

  1. 暴力的な態度をとること。
  2. 大声をあげたり、乱暴な言葉を使ったりすること。
  3. 多人数で押し掛けること。

(2) 債務者、保証人等の私生活又は業務の平穏を害する次のような言動を行ってはならないこと。

  1. 正当な理由なく、午後9時から午前8時まで、その他不適当な時間帯に、電話で連絡し若しくは電報を送達し又は訪問すること。
  2. 反復継続して、電話で連絡し若しくは電報を送達し又は訪問すること。
  3. はり紙、落書き、その他いかなる手段であるかを問わず、債務者の借入れに関する事実、その他プライバシーに関する事項等をあからさまにすること。
  4. 勤務先を訪問して、債務者、保証人等を困惑させたり、不利益を被らせたりすること。

(3) その他、債務者、保証人等に対し、次のような行為をしてはならないこと。

  1. 他の貸金業者からの借入れ又はクレジットカードの使用等により弁済することを要求すること。
  2. 債務処理に関する権限を弁護士に委任した旨の通知、又は、調停、破産その他裁判手続をとったことの通知を受けた後に、正当な理由なく支払請求をすること。
  3. 法律上支払義務のない者に対し、支払請求をしたり、必要以上に取立てへの協力を要求すること。
  4. その他正当と認められない方法によって請求をしたり取立てをすること。

このように、(1)取り立てに対する姿勢・(2)プライバシー保護・(3)違法行為等を具体的に禁止し、この規制に反した場合は、重い行政処分が課せられます。

また、債権者は1ヶ月程度の返済の遅れを「遅延」、2ヶ月を超える返済の遅れを「延滞」というように分けています。

「遅延」の場合は、電話や書面にて「どうしました?早く返して下さいね」と、催促するだけの状況と位置づけていて、この段階で遅れた分を返済すれば、引き続きカードを利用することが出来ます。

それでも返済が滞る場合は「延滞」という位置づけになり、一括請求や訴訟などの法的手続きによる回収の対象となります。

これも金融監督庁からの「遅れたからといって、直ぐに一括請求などしないように」という指導があるからですが、直ぐに不良債権として対処すると、それだけ取り扱う数が多くなり、業務に支障をきたすという、金融機関側の都合もあるのです。

このように、法的にも実務的にも「1日でも遅れたら」ということは無く、「どうしようか?」と考える時間は十分にあります。どうしても返済が苦しい状況に陥ったら、焦らず、冷静になって考えることから始めましょう。