ブラックなんて怖くない

借金の返済ができなくなると「ブラックになる」または「ブラックリストに載ってしまう」などと、ブラックを恐れる人が多くいます。

しかし「ブラックってなに?」と聞くと、殆どの人が正確に答えられず、ただイメージだけで恐れているのです。しかし本当のことを知れば大したことではないということが分かります。そこで、皆さんが恐れる「ブラック」の正体をお話します。

ブラックリストは存在しない

「ブラック」とは金融機関の業種別の協会で作られた信用情報機関に「事故情報」として記載されることの俗称です。最初は業界用語(隠語)だったのですが、いつの間にか世間に知れ渡り、「ブラック」という言葉の雰囲気から「悪いもの」「怖いもの」というイメージが強く付いてしまったようです。

ブラック(事故情報)は、延滞や債務整理・法的手続きなど、金融機関に対して迷惑な行為をした場合に記録されるものです。これにより新規借入申請などの審査のために、加盟している信用情報機関のデータを閲覧した際、「この人は延滞してますよ」などと注意を促すことができます。

また、個人情報機関には事故情報だけでなく、借入状況なども登録されていて、近年、改正された貸金業法の年収の1/3以上の借入れは原則禁止という「総量規制」などのチェックにも利用されています。

これらの情報は個人毎に登録・管理されているもので、事故情報が登録された人だけを集めたデータ(リスト)は存在しません。

要するに「ブラックリスト」は存在しないということです。

では何故「ブラックリスト」という言葉があるのかは、はっきりとした理由は分かりませんが、アメリカで重犯罪者を集めたリストを「ブラックリスト」と呼ぶなど「悪い人を集めたデータ」というところからイメージされたものなのではないかと推測されます。

因みに事故情報もなく、借入れも無い人のことを「ホワイト」と言います。

信用情報機関の種類とブラック情報の掲載期間

信用情報機関には次のようなものがあり、金融機関の業種別の協会が、独自にデータ管理しています。

<銀行系>
一般社団法人 全国銀行協会 個人情報センター

<クレサラ系>
株式会社シー・アイ・シー(CIC)

<貸金業全般>
株式会社日本信用情報機構(JICC)

全銀協は銀行に属する金融機関しか加盟できませんが、CICとJICCは、ほぼ全ての金融機関が加盟でき、各信用情報機関の情報交流システム(CRIN)を利用することにより、延滞などの事故情報は全ての金融機関が調べることができます。

また、本人であれば自分の情報を見ることができます。各信用情報機関によって情報開示の仕方が違いますので、HP等で確認して下さい。

登録される情報は、現在の借入れに関する情報として、次のような項目が登録されています。
①個人情報
氏名・生年月日・住所・電話番号・勤務先・勤務先電話番号

②借入契約に関する情報
契約日・契約の種類・商品名・支払回数・契約額・契約終了予定日・登録会社名等

③支払い状況に関する情報
報告日・残債額・請求額・入金額・入金履歴・延滞・保証履行・破産の有無・これらの発生日・延滞解消日・終了状況等

また、新規借入申込の際や、ローン返済途中の支払能力の審査などのために、加盟業者(金融機関)が情報を照会した場合も、その日時などが記録されます。

信用情報機関によって情報の登録期間は異なりますが、延滞等の事故情報の登録期間は次の通りです。

登録内容 全銀協 CIC JICC
延滞 取引終了から5年 取引終了から5年 取引終了から5年
自己破産(官報情報) 開始決定日から10年 開始決定日から5年 開始決定日から5年
その他の債務整理など 発生日から5年 発生日から5年 発生日から5年

自己破産の情報は、一番長い全銀協で10年ですから、借入れの中に銀行のカードローンがあると、事故情報が10年間登録されるということになります。

ブラック情報が及ぼす影響

信用情報機関に登録してある情報は、主に金融機関が審査のために利用します。よって、事故情報が登録されている場合、審査基準としてはマイナスになります。但し、事故情報の内容によってはマイナスポイントも異なるのです。

まずは「延滞」という事故情報が登録されている場合、完済してから5年間は信用情報機関に登録されます。ということは完済しないとずっと登録され続けることになりますので、この状態では新たな借入れはできません。

しかし、延滞後、完済した場合は「延滞」という情報と「完済」という情報が登録されます。この状況でその他の事故情報が無く、収入などのその他の審査ポイントが良ければ、新たに借入れできる可能性があります。

次に自己破産の場合、一番長くて全銀協で10年間登録されています。

では自己破産してから10年間はカードなどの借入れができないかというと、そうではありません。事故情報は審査基準のひとつに過ぎません。

自己破産したということは、その時点では借金が無いということですので、数社から借りている人よりもリスクは無いという評価にもなります。実際に自己破産してから数年で住宅ローンを組めた人は大勢いるのです。

最後に自己破産以外の債務整理の場合、各信用情報機関とも、登録機関は5年間です。

また、債務整理の場合、その返済期間は大体3年~5年になります。債務整理で返済中は金融機関も新たな借入れを認めることはしませんが、債務整理が終了すればその時点での借入れはゼロです。

収入等その他の審査ポイントが良ければ、債務整理と登録されている状態でも新たな借入れは可能です。

ちなみに、近年、アパートなどの賃貸物件を借りる際において、保証会社の審査に通ることが条件という場合がありますが、保証会社がクレジット会社などの金融機関系でない限り、金融機関(銀行や消費者金融など)の信用情報機関を利用することはできませんので、たとえば消費者金融の利用履歴があり、その履歴に関するブラック情報で審査が通らないということはありません。

このように、その後の対処の仕方やその他の条件によって、ブラック情報のマイナスポイントを補うことができるのです。だから、ブラックなんて怖くは無いのです。