過払い金とは

未だにCMなどで見聞きする「過払い金」ですが、平成19年に貸金業法の改正、平成22年には出資法も改正され、それ以降の借り入れに関しては過払い金は無くなりました。

しかし、過払い金によりすでに債務が無いことを知らずに、未だに返済し続けている人も多くいるとのことです。

また、過払い金の意味を良く理解できていない人が、債務整理の際に、過払い金に期待している人も多いようです。自分にあった債務整理の方法を探し出すためにも、過払い金の正しい知識を知ることが重要です。

過払い金の仕組み

過払い金が発生する原因は、法改正前の利息を制限する法律の上限利率の差により生じた金利の差です。これを「グレーゾーン金利」と言います。

法改正前は
・出資法  29.2%
・利息制限法 15%
(貸付金が100万円を越える場合)

という2つの法律があり、各々の上限金利に差がありました。貸金業であれば、利息制限法に従わなければならないのですが、一定条件を満たしていれば出資法の上限金利まで利息を取ってもいいという「みなし弁済」(※)という取り決めがありました。

これに目をつけた一部の貸金業者が「みなし弁済」を理由に金利が高い出資法の利率を適用していたのです。

<グレーゾーン金利>


※みなし弁済
以下の要件を全て満たしている場合において、出資法の上限金利を超えない範囲で取得した利息は有効な利息の弁済であったとみなす。

  • 登録を受けた貸金業者が業として行う金銭消費貸借上の利息の契約であること。
  • 借主が利息として任意に支払ったこと。
  • 貸金業者が、借主に対し、消費貸借契約締結の際、遅滞なく、貸金業法17条所定の、契約の内容を明らかにする書面(17条書面)を交付したこと。
  • 貸金業者が、借主に対し、借主から返済を受けた都度、直ちに、貸金業法18条所定の受取証書(18条書面)を交付したこと。

しかし、殆どの業者はみなし弁済の要件を満たしておらず、出資法の上限金利まで取るのは違法だと判断され、法改正前の出資法と利息制限法の上限金利の差(グレーゾーン金利)の部分の利息分が「払い過ぎた利息」=過払い金と認められたのです。

 

過払い金の計算方法

過払い金を計算することを「利息制限法に引き直しをする」と言います。

この計算は、支払った利息から正しい利息(利息制限法の金利)を差し引いた残りが「過払い金」という単純な計算ではありません。

取引(返済した日若しくは借りた日)を時系列にし、取引ごとに支払い済みの利息から利息制限法の上限金利分を差し引き、残りを元金に充当し、訂正された元金から利息制限法の上限金利で正しい利息を算出し、次に支払った利息(出資法金利)から正しい利息分を差し引いて・・・という計算を繰り返し行い、最終取引時に払い過ぎていた場合その額を返還してもらいます。

また、利息制限法で引き直し計算しても、残元金が残る場合もありますが、その場合は引き直し後の残債務を返済しなければなりません。

利息制限法の引き直し計算

平成15年頃から過払い金の返還を認める判決が出始め、平成18年の最高裁判決を基に、過払い金の返還請求が多く行われるようになりました。

また、平成19年のみなし弁済の条項を廃案とする貸金業法の改正をきっかけとし、提訴することなく、法律家を介して債権者に過払い金の返還を要求するだけで、過払い金が返還されるようになりました。

但し、過払い金の請求には時効があり、最終取引日から遡ること10年間までしか請求することができません。

また、法改正以前から借入があったとしても、銀行系カードローンなどは当初から、利息制限法に定められた利率なので、過払い金は発生しませんし、平成24年以降はグレーゾーンが無くなりましたので、その後に新規借入したものも過払い金は発生しません。

このように過払い金が発生するには、一定の条件が必要で、カード等でキャッシングしているからといって、必ず過払い金があるとは限りません。

また、過払い金の計算は複雑な計算が必要なので、自力で計算することはお勧めできません。

「払ったお金が返ってくるかも」と過度な期待をして、独学で債務整理の方法や返済計画を考えても、間違った方法を選択してしまう可能性がありますので、債務整理業務を扱う法律家に相談をし、過払いの有無などを見定めた上で、正しい解決方法を選択して下さい。