債務整理の種類

「借金が返せなくなったら自己破産しかない」と思っている人も多くいると思います。

しかし、債務整理にはいろいろな方法があります。「解決方法はたくさんある」という希望を持って前に進んでもらうために、ここでは債務整理の種類と特徴を説明します。

解決方法の種類

住宅ローンやカードローン、事業用借入など、借金の種類はさまざまで、その種類によって解決方法は異なります。

「カードローンだからこれしか方法はない」ということではなく、カードローンだけでも、複数の解決方法があるのです。

まずはカードローンの債務整理方法の種類とその特徴を解説します。

カードローンの債務整理の種類には「任意整理」「特定調停」「自己破産」と3つの方法があります。

ネットなどでは「自力で交渉した」という人の体験記のようなものも多く存在しますが、誰もができる方法ではありませんし、この3つの優れた解決方法がある以上、効率・効果面などから考えても「自力交渉」はお勧めできません。

この「任意整理」「特定調停」「自己破産」には、それぞれの特徴があります。それぞれに長所・短所がありますが、それぞれの短所を補う形で生まれたり、その時代の社会情勢などを取り入れたりと進化してきました。

バブル崩壊後の長引く不況の影響で生活苦・借金苦を原因とした自殺者が急増しました。その原因の一つとして「借金が返済できなければ自己破産しかない」という限られた対処方法が弊害と考えられ、新たな債務整理の方法として、平成12年に特定調停が施行されました。

その後、グレーゾーン金利問題から過払い金請求の増加に伴い、任意整理という新たな債務整理のシステムが確立しました。

歴史の浅い解決方法もありますが、時代のニーズに合わせ、現行の解決方法の短所を補う形で生まれたものなので、新しくても洗練されたシステムなのです。

ここで各々の進化の歴史を全て語ることは出来ませんが、一例を挙げるならば、2011年に起きた東日本大震災の被災者が自己破産を選択した場合に限り、自由財産(差押え出来ない財産・自己破産の時でも取り上げられない財産)の現金の上限額を99万円から500万円まで引き上げました。

これは現法の制度(現金99万円まで)では被災者の復興・再生の妨げになると判断されたからです。

解決方法の各々の特徴

以前は個人の債務整理の手段としては、自己破産しかありませんでした。

しかし、社会情勢などの変化により自己破産だけでは対応できないことが多くなり、その部分を補う為に特定調停が生まれ、また特定調停の短所を補う為に、任意整理が確立されました。

しかし、自己破産より特定調停の方が優れ、特定調停より任意整理の方が優れているというわけではなく、債務者自身の状況や希望に対応すべく、各々の存在があるということです。

主な特徴
任意整理 弁護士や認定司法書士に、返済額の減額や過払い請求の交渉を依頼すること。
民間の対処方法なので確定事項に法的拘束力はない。
特定調停 主に簡易裁判所へと申立をし、調停委員を介して債務の分割返済・過払い請求の交渉をすること。 法的拘束力あり。
自己破産 地方裁判所へと申立する法的手続き。免責許可を得て債務全般の返済義務が免除される。

自己破産は借金をゼロにしてもらうための法的手続きで、債務に対して返済する資力が無い、もしくは資力が足りない場合に使う解決方法です。

ただし、債務をゼロにする代わりに、一部の所有資産を処分し債務へ充当しなければならないという条件があります。

それに対して任意整理や特定調停は、返済資力はあるが、当初の約束通りの毎月の返済額では返済できなくなってしまったので、毎月の返済額を減額してもらうという解決方法です。自己破産のように所有資産を処分し債務に充当する必要はありませんが、債務は残り、返済しなければなりません。

また、任意整理は法律家に頼むのでその分の手数料が必要になりますが、特定調停は調停委員の力を借りながら自分で交渉するので手数料はあまりかかりません。

このようにカードローンの債務整理には状況や要望に応じた対処方法があります。

どの方法が自分に合っているのかを知るには、解決方法の仕組みを理解した上で選択する必要があります。

返済が出来なくなったからといって「もうだめだ」と悲観することはありません。解決方法は必ずありますから、まずは自分に合った債務整理の方法をじっくりと考えましょう。