債務整理に対する心構え

ローンが返せなくなった時「どうしよう?」と慌ててしまうでしょう。対応方法を知っていたとしても、直ぐに冷静な対応ができません。

しかし、対応する知識があれば、後に落ちついて考える事ができます。もしもの時に知るのではなく、もしもの時のために事前に対応方法を知っておきましょう。

「知らない」と「知っている」との違い

平成10年から自殺者の数は急増し、平成23年まで14年間3万人を切ることはありませんでした。

平成10年に起きた自殺者急増の原因は、バブル崩壊後の長引く不況による経済苦での自殺者が増えたからといわれています。

その後、平成19年をピークに年々その数が減り始め、平成24年にようやく3万人を切りました。

自殺者数の推移(単位:人)
自殺者総数 内、経済苦が原因
H18 32,155 6,969
H19 33,093 7,318
H20 32,249 7,404
H21 32,845 8,377
H22 31,690 7,438
H23 30,651 6,406
H24 27,858 5,219
H25 27,283 4,636
H26 25,427 4,144

*内閣府「自殺の統計」より筆者作成

債務整理が世間に認知し始められた頃が平成19年頃、この頃にはヤミ金問題や商工ローン問題も取上げられ、その後、多重債務者問題、過払い問題、グレーゾーン金利の撤廃と、債務に関する環境が大きく変わってきました。

それらが自殺者の数を減らした原因とは言い切れませんが、一つの要因になったのは間違いありません。

借金で苦しむ人の多くが「どうしたら良いか分からない」という、解決方法を見つけられない事が苦しみの大きな原因になっています。そしてその結果、自死というとても悲しい決断をしてしまう人も少なくありません。

しかし、上記のデータが示している通り、解決方法を知るだけで大きく人生が変わるのです。

借入状況を整理する

任意整理や自己破産のように法律家に依頼する場合でも、特定調停のように自力で手続きを行う場合でも、債務や家計状況などを表などにまとめて置くと、相談の際や申立の際に自分の状況を伝えやすくなります。

(例)債務者一覧
債権者名 Aカード B信販 Cファイナンス
最初の
借入日
2012/10/2 2013/8/25 2011/5/12
利率 18% 18% 15%
残債務額 50万円 30万円 100万円
毎月の
返済額
2万円 1.5万円 4万円
支払い状況 延滞なし 延滞1ヶ月 延滞1ヶ月

 

(例)家計表
項目 金額
①収入(手取り) 200,000円
食費 30,000円
家賃 60,000円
水道光熱費 10,000円
通信費(電話・ネット) 20,000円
保険料等 10,000円
遊興費(お小遣い等) 20,000円
②支出合計 150,000円
③差引残高(①-②) 50,000円

相談する法律家の専用の書式や、特定調停の申請書式がありますが、このようにまとめておけば書き写すだけですみます。

自分の状況が整理できていないまま相談に行っても、初めて相談を受ける法律家は余計に状況が把握できませんので、しっかりと伝える為にも整理する必要があります。
※カード等の最初の借入年月日が分からない場合は、おおよその年数でも問題ありません。

また、状況を整理すると、自分でも気が付かなかったことを発見できます。カードローンが複数社に及ぶと、「◯◯カードは2万円で」など、1社に対する毎月の返済額は覚えているのですが、毎月総額でいくら返済しているのか把握していない人が多くいます。

そういう人の場合、このように一覧にまとめると、自分が毎月支払っていた額に驚く人もいて、それが債務整理に踏み出す原動力になることもあります。

状況を整理すると、相談相手に状況を伝えやすくするだけではなく、自分自身の確認と反省になりますので、相談や申請をする前に準備しておいて下さい。

借金問題は必ず解決できる

何ヶ月も延滞していても、「任意整理」や「特定調停」「自己破産」はできます。

既にカード会社から訴えられて差押えされていたとしても、それらを止めて解決する方法があります。カードローンに連帯保証人がいたとしても、連帯保証人と一緒に考え、債務整理をすれば解決できます。

ヤミ金から借りていても警察に相談すれば解決できます。その他、住宅ローンや事業用の借入れであったとしても、解決できない借金問題はありません。

借金苦に悩む方の多くは、家族に相談できないと一人で問題を抱えてしまっています。

しかし、一人で考えるには限界があります。多少の知識があっても一人ではできないことも多く、それらが債務整理に踏み出す力を失わせてしまいます。

身近に相談できる家族や友人がいるのであれば、思い切って打ち明けてみることからはじめてみましょう。

家族に相談するだけでなく、専門家への相談も上手に活用してください。

法テラスという国が設立した法的問題の相談・解決する機関で相談料は無料です。その後の債務整理の費用なども立替えてくれます。

(参考)法テラス

法テラスほか、無料で相談を受けつけている法律家もたくさんいます。

また、現在、生活困窮者に対し、各行政で相談窓口を設置していますので、借金問題だけではなく、生活苦なども無料で相談できます。

専門家に相談する際は、一人の専門家のアドバイスだけを鵜呑みにせず、複数の専門家からのアドバスを聞き、より確実な方法を探し出すよう心掛けて下さい。

ここで得た知識や書籍やネットなどの情報だけで解決方法を見出すのではなく、その知識をもとに自分の考えをまとめ、それを踏まえて専門家に相談し、専門家からのアドバイスを参考にして、自分に合ったベストな解決方法を決めて下さい。